教室日記vol.6

緊急事態宣言もひとまず終わり、少しですが普段の生活に戻れそうです。

また久々の書き込みになってしまいました。
前回からの間、発表会も無事終了し参加された皆さんそれぞれの思いがあると思います。
今日からそれを糧に頑張りましょう。

もう夏も終わりの感じがして夜には虫の鳴き声が…。
という感慨にふけっていたら、そういえば!
私事ですが、今年の夏は「ある事」のアニバーサリーイヤーだったのです。

今から30年前、当時大学生だった私は初めて海外の音楽セミナーに参加したのです。
その時の珍道中(?)いや楽しい思い出を何回かに分けて短期連載に挑戦しようと思います。

大学3年生の春、とある先輩に「イタリアのシエナという街のキジアーナ(音楽院)に行って来たら?」とアドバイスを受けました。
後から聞いたら狭い世界に居るより違った環境で勉強した方が良いことだよとのことでした。

この音楽院は常設の学校でなく毎夏著名な講師が来て
イタリアは元より世界各地から受講生が集まりレッスンや演奏会がある素晴らしい講習会です。

と言われても先立つものがありません。
今と違ってLCC、早割なんてありませんし、ネットで個人購入等無く当時のバブリー日本では学生の分際で直行便は金銭的に厳しすぎました。
という事で親に頼み込み、最低限の資金を手にし、アエロフロートでモスクワ経由の(これは後で何かあるフラグですよ)飛行機で飛び立ちました。
そして高校時代からの同級生のヴァイオリンの女の子も参加するという事なので同じ行程になりました。
成田発モスクワ第2空港を経由し、給油を終えて(ツポレフは航続距離が短い為)ローマに着いたのは夜22:30くらいだったと思います。

外国人から見た日本の大学生なんて子供ですから、一緒の同級生の御親族がたまたまお勤めがローマでお迎えに来て下さいました。(う~んなんてラッキー。夜のローマなんて今よりずっと治安が悪いし、ヨーロッパ初の旅なので心強いおもてなしでした。)

ローマの街中に近づくとお迎えに来て頂いた方に「お腹空いてませんか?」と聞かれましたが、そんなおんぶに抱っこは申し訳ないので、そこは感謝するだけにしました。

お陰で事前に予約しておいたテルミニ駅そばのホテルに着いたのは24:00近くで、先ほどのお腹空いてない?のフレーズが頭をよぎり軽く何か食べようと2人でその辺りのピッツェリアに入り初ピザを頂きました。
う~ん、シェーキーズと違う~。(高校時代に良く行ってたので、それとしか比べられません。)
それにワインも全然違う!
イタリア!素晴らしい!
その味に脳内が秒殺されて
もう感動的でした。

満腹になり部屋に戻ってお風呂に入ろうとバスタブにお湯を溜めている時でした。
「パンパン」と外から乾いた響きの後、数分後「パプパプ~」とサイレンが聞こえて来ました。
もし、もう少し遅くまでその辺りにいたらと思うとゾッとし、一瞬で海外に居るという緊張感が走りました。
イタリア最初の夜でした。
(まだまだ続く)  文:Tomoki

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